Eno.179 翠色の髪の少年

昔と今と

昔はかなり、荒んでたかもしれない。
昔は人と話すことがどうでもいいんだ
と思っていたかもしれない。

話さない事ですれ違ったり
あとは周囲の雰囲気だったり。
あとはなかなか、無理させてたり。

で、そんなこんなであまり人と話すのは
得意じゃない人となった。

それでも柔らかく話しかけてくれる人や
変だけど調子よく話してくれる人がいて、
元気に、純粋に接してくれる人がいて。

そのおかげでご飯は好きだし
そのおかげで赤いヘッドフォンは持ってるし
そのおかげでまだ、前を向こうと思えた。

ま、それでもすれ違いはまた起きて。
で、そこで超常現象的ななんかが起きて。


それで、今の俺が居るって訳。

嘘、間を飛ばした。

どっか知らないところに一人でいて、
暫くは普通に焦った。
で、しばらくして様子が違う事に気がついた。

そしてしっかり理解したら、
いろんな所へ行けるようになった。
そっからちょっと楽しむようになった。

恐竜を見た、すげーデカくて怖かった、
ハイテクな機械を見た、すげーハイテクだった。
熱いマグマを見た、見た目がすっごく暑そうだった。

ま、そんな要領を得ない感じで色んな世界を見てた訳だ。

その時に、ちょっとこれはヤバイってものに出くわして
逃げて逃げて走って、足引っ掛けて今に至る。


「…そうだな」


「この長い永い時間が
俺の記憶とかを希釈して、
俺が何もかも変わっても」



「…ここの生活と、ここで会った皆のことは、
……笑顔で思い返せるといいな」



「…その為に頑張るか、色々!」