Eno.181 潮彩のリューカ

閑話

「……うっ、うう~ん」

「あの漂流船を見ていると、あの日のことを思い出しちゃうわ……」

「あのシルエットからして、古い時代の木造船だろうけど。
 わたし、なんだかあの船に責められている気がする……」

「入ったらもしかして、わたしを恨んでる幽霊が出たりして……!」


「か、考えるな。考えちゃだめよ。リューカ。こういう時は羊を数えるの」

「羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊がよっつ……

「羊がいつつ、羊がむっつ、羊がなな、つ……?」

「いけない、あの木の実のことを考えてたわ。どうしてこの島にはあんなのが生えてるのかしら……」