いつつめの幸運
俺は幸運じゃなかったんだと思う。
「あなたは世界で最も幸運な人間です!
厳正なる抽選の結果、
幸運の天使として神に選ばれました!」
神……プロデューサーに翼とヘイローを貸与され、
天使となったあの時。
俺は高校1年生になりたての春、
これから勉強も部活も、青春を楽しもうって時だった。
天使は人々を導くため、輝き続けることが使命。
学校はやめさせられた。実家から離れた都会の寮暮らし。
幸運を証明するために、俺はカメラの前で運を試す。
いいものは食わせてもらっていた。他の天使とも仲良くはしてた。
だけど、周囲は常に俺に幸運を期待する。
失望されるのが恐ろしかった。どんどん人々の心が離れていくことがわかった。
俺は本当は幸運の天使じゃない、ただの人間だったから。
他の天使はオーディションで選ばれている。
俺たちのことを『外付け天使』って呼んでるやつらがいるって、知ってる。
だから、プロデューサーに言ったんだ。
「天使をやめたい」って。
結果は、やめることはできなかった。
俺は暇を出され、天使の翼と輪を身につけて実家に帰ったんだった。
・・・
あの時と同じ、嵐が来ていた。
だけど、俺はもう強がりだけを持っては行かない。
頼りにできるものが、幸運以外に増えたからだ。
「あなたは世界で最も幸運な人間です!
厳正なる抽選の結果、
幸運の天使として神に選ばれました!」
神……プロデューサーに翼とヘイローを貸与され、
天使となったあの時。
俺は高校1年生になりたての春、
これから勉強も部活も、青春を楽しもうって時だった。
天使は人々を導くため、輝き続けることが使命。
学校はやめさせられた。実家から離れた都会の寮暮らし。
幸運を証明するために、俺はカメラの前で運を試す。
いいものは食わせてもらっていた。他の天使とも仲良くはしてた。
だけど、周囲は常に俺に幸運を期待する。
失望されるのが恐ろしかった。どんどん人々の心が離れていくことがわかった。
俺は本当は幸運の天使じゃない、ただの人間だったから。
他の天使はオーディションで選ばれている。
俺たちのことを『外付け天使』って呼んでるやつらがいるって、知ってる。
だから、プロデューサーに言ったんだ。
「天使をやめたい」って。
結果は、やめることはできなかった。
俺は暇を出され、天使の翼と輪を身につけて実家に帰ったんだった。
・・・
あの時と同じ、嵐が来ていた。
だけど、俺はもう強がりだけを持っては行かない。
頼りにできるものが、幸運以外に増えたからだ。