不思議なこと
大きな風呂が出来たので、せっかくだから使わせてもらった。
手や顔くらいならともかく、髪や体をしっかり洗うことは難しかったから、とても有難い。
海に落ちたりしてぼさぼさになっている髪を洗って、体を洗って、久しぶりにさっぱりした。
それからゆっくりと、手足を伸ばして岩風呂に浸かる。
倉庫にいたアヒルのおもちゃを浮かべてみたりもした。
これは風呂で使うものだということは、教わったので知っている。

髪の洗い方。湯船に浸かること。子供用のおもちゃ。
必要なことも必要でないことも、彼の世界にあるものを何でもくれようとする。
貰うばかりで申し訳ないとは、今はもう思わない。
だけど、いくら貰っても足りないと感じてしまうことには、申し訳ないと思っている。
手のひらで湯を掬う。温かさが溢れていく。
大きな風呂だ。大人であってもゆったりと浸かれるくらいだろう。
一人でいるのが、寂しくなってしまうくらいには、心も体ものんびりしている。

その気持ちだけは不思議とはじめから変わらなかった。
帰るべき場所がある。帰らなければならない。
だけど不思議だ。そう思う度に、どんどん寂しさが増してくる。
彼のことを思い出す。懐かしさが込み上げた。それもまた不思議だった。
懐かしくて、会いたいと思う。それがどうしてかこんなにも、寂しい。
とても不思議だ。
手や顔くらいならともかく、髪や体をしっかり洗うことは難しかったから、とても有難い。
海に落ちたりしてぼさぼさになっている髪を洗って、体を洗って、久しぶりにさっぱりした。
それからゆっくりと、手足を伸ばして岩風呂に浸かる。
倉庫にいたアヒルのおもちゃを浮かべてみたりもした。
これは風呂で使うものだということは、教わったので知っている。
「……君が教えてくれたことばかりだ」
髪の洗い方。湯船に浸かること。子供用のおもちゃ。
必要なことも必要でないことも、彼の世界にあるものを何でもくれようとする。
貰うばかりで申し訳ないとは、今はもう思わない。
だけど、いくら貰っても足りないと感じてしまうことには、申し訳ないと思っている。
手のひらで湯を掬う。温かさが溢れていく。
大きな風呂だ。大人であってもゆったりと浸かれるくらいだろう。
一人でいるのが、寂しくなってしまうくらいには、心も体ものんびりしている。
「帰らなければならないな」
その気持ちだけは不思議とはじめから変わらなかった。
帰るべき場所がある。帰らなければならない。
だけど不思議だ。そう思う度に、どんどん寂しさが増してくる。
彼のことを思い出す。懐かしさが込み上げた。それもまた不思議だった。
懐かしくて、会いたいと思う。それがどうしてかこんなにも、寂しい。
とても不思議だ。