Eno.736 円寺院エルザ

日記7

ごうごうと、風が吹いています。
ばたばたと、雨が屋根を叩きつけています。

このまま永遠に雨が降り続けて、島が沈んでしまうのでは?
などと考えてしまうほどの勢いです。

私たちは、本当に無事に帰れるのでしょうか。
ふと、お祖父様のことを思いだします。

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「エルザ、新しい倉庫を建て増ししといたでな、こないだのジャンク品を突っ込んどいてくれ」

「……お祖父様。物があふれるから倉庫を作る、倉庫が出来たから物を増やす……その繰り返しでこの店はとんでもない広さになってしまっています。お掃除をする私の身にもなって頂かないと……」

「仕方ないじゃろ。この先の未来に何があるかなんぞ、お釈迦様でも知らぬ仏のなんとやらじゃ。世の中何が役に立つか分からんからな。」

「実際役に立った物が何かあったでしょうか……」


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お祖父様。
私はこの島で、倉庫を建て増しし続けています。
こんな私を見たら、笑われるでしょうか。