Eno.331 流月

召喚の因果2


『私は……、その前に貴方の名前を教えてくれるかな?
 ふむふむ、■■って言うんだ。そうだね、それじゃあ私は……、
 ■■■!』


またこの夢か。声の一部が霞んだように聞こえないな。
最近は特に多くなった。
この存在しない謎の記憶には訴える事も出来ない。
ただ見る事しか出来ないのだが。

『得意な魔法?そうだね、炎の魔法とか?後は光の魔法と、召喚魔術が使えるよ。
 逆に氷の魔法は全然ダメなんだよね、寒いの苦手でさ』

魔法か。この私に似た誰かもまた、魔法使いと言う事か。
今の所、魔法使いしかいないな。
どうなってるんだこの夢は。

『ん?私の事が聞きたいの?別になんてことないよ。
 普通の村で暮らして、普通に生きて、普通に……、
 それだけだって。』

所々が腑に落ちない。
細部は違えど、あまりにも私に似すぎている。
気持ちが悪くなるくらいに。