Eno.625 Leonhard.H.P.

船と、その行く末

嵐は過ぎ去り、片隅には船だったモノが流れ着いた。
かつての船旅で用いられたもの、彼らの「生活」が見える物資は生活、ひいては生存のために非常に役に立つところも多いが、その一方でどうにも頭の片隅にちらつくことがある。

沸騰号――だったモノも、この海域のどこかにいるのだろうか。
無意味だとはわかっている。わかっては、いるのだが……それでも探したくなってしまう。
もしかしたらこれではないかと疑っては、そうとも違うともとれない要素に頭を悩ませ、そして無駄に体力などを消耗する。

いずれにせよもう生活も大詰め。言い換えれば終わりも近い。
彼らはまた脱出を考えて新しく船をこさえるようだが……私は、どうしようか。