嵐がすぎて 船を探検
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「ティティー! おふね、おおきいです!
あ! あっちにあるの、ティティみたいにおっきい、です!」
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「フィン、船に入るのは待ってください。
あちこち破損しているのですから、浜辺よりも足場が悪いです」
好奇心のままに駆け寄りたそうにしている子供を、ひょいと持ち上げて、船底に空いた穴から中を覗き込む。
彼女が指差す方を見ると、潮風に晒されて錆びついた大砲。
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「君から見ると、この大砲って、私と同じくらいの感覚なんですか?
そこまで近くないように感じますが……
ともあれ、一つ持って帰りましょう。使い道があるかもしれません」
金属がよく不足しているのを思い出し、壊れていても金属材として使えるかも、と持ち上げる。
無人島では見かけない道具もあちこちに散らばっているが、いかんせんウロウロするには足場の耐久力が怪しい。
手近にあった資材をいくつか回収して、拾った大砲を運ぶことにする。
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「ティティ、おもいの、だいじょうぶ?」
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「はい。問題ない範囲です。
……君こそ大丈夫ですか、顔が赤いですよ。日差しに当たり過ぎたのでは」
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「え? …わわ、なんだか、くらくら、してきました…」
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「急に大丈夫じゃなくなりましたね!?
屋根のある場所まで戻って涼みましょう」
探検でちょっとテンションが上がっていた分、不調に気付くのが遅れたようだ。
自覚して急に元気がなくなった子供と大砲を抱えて、急いで拠点に戻って行った……