Eno.17 明けぬ夜の灯台守

長期星間輸送において、あの光が見えることほど安心することはないのだという。

あそこはあの星しかないような暗闇と人気ののなさに包まれている。
のっぺりとしたから闇の中で、そこに道があるから進んでいるのだと信じながらみな進むのだという。
なんでそんな土地の道を使わねばならないのか。
それは昔の星間飛行時に開通した道がそのまましっかりと残っており、そしてそこしか道はないことからだった。
辺境の星、奥の農業星・工業星に向かうためにはここを使わなくてはいけない。
そこには多く生き物たちが住んでいるのだ。


しかし、その道の周辺は大昔資源を取られつくしたような、枯果ての星しかなく、またそんなところに人が住んでいるはずもなかった。
何より、中央からその星までは遥か遠くのかなたにある。

商品が輸送のうちダメになるのではないか?

私はこんな遠くまで来て、故郷の星と時ずれが起こっているのではないか?

私は、なんでこんなとこに。

…それは大げさな話だが。


けれど、そんな道の最後。
煌々と、燃え上がるように光をまわして。
ただそこにあるだけの小さな星が、暗闇を少しでも照らしている。
それは遠くまで届く。
ここにいると示している。
この先があると安心できる。

そんな、光だった。


「道しるべってどこでもひつようでしょ~」

「うはは」

彼は軽く笑っている。

必要な仕事。