Eno.590 所謂 なずむ

この島に流されて早5日目。
もうそんなに経ってしまったのか、充実した時間があっという間に過ぎるというのは本当らしい。

そろそろ便箋に書かれていた『沈む日』が近い。らしい。
こんな立派な島がいきなり沈むなんてことがあるのかわからないけど、当日になればわかることだ。

だから、船を作ろうとか、カレーを作ろうなんて話題が出た。
…船は少し苦手。また落とされると思ってしまう。


「………」


「この島にも、君たちはいなかったね」


「………」




「……よかった」






陽の光が、強すぎませんように。
風が、手を取ってくれますように。
交わることを、恐れませんように。


星の記憶私達が、途絶えませんように。