(6)そして今
ボスを手に掛けたあの日から、3年が経つ。
ボスには、ストリートチルドレンだった僕を拾い上げてくれた恩がある。
しかし、それを含めてもあまりにもあまりな仕打ちではないか。
今にしても僕はそう思う。
そして前々からドンのお気に入りだった僕を、ボスは体良く始末するつもりだった事が判り、その時点で僕はボスへの忠誠心も愛想も尽きた。
ドンに抱かれて来いって言ったのは、何処の誰だったっけ?
それはそれとして、その後も大変だった。
組織のトップが急死し、しかも弱体化したとは言え暗殺チームの長まで殺されたとあれば、その潰されかけたメンツを挽回せんとばかりに、僕を絶対に始末しにかかるだろう事は、容易に想像出来た。
組織総出で一匹の虫を始末とは、実に効率の悪い話だが、それだけ組織は体面が重視される。
その度に、僕はゲリラ戦を強いられる。
最初の内はワイヤートリックで、一網打尽もそんなに苦じゃなかった。
ただ、数が多くなってくると話は別。
一人二人殺られれば、普通に後続が警戒をしだす。
そうなると、中々始末が悪い。
そして、普段は中々群れない暗殺チームのメンバーがそこに混ざると、更に旗色が悪くなる。
手の内が知り尽くされているからだ。
正直、ジリ貧と言う他ない。
そんな事を続けて早3年。
いよいよ海に面した崖上の廃墟まで、僕は追い詰められた。
疲労もピークに達していた。
何とか一矢報いようと、物陰から躍り出ようとした。
その瞬間。
僕は瓦礫に足を取られ。
そのまま、崖下の海まで真っ逆さまに落ちていった。
そして、気が付けば。
今いる島だったと言うわけ。
我ながら、よく生きていたものだと思うよ。
ボスには、ストリートチルドレンだった僕を拾い上げてくれた恩がある。
しかし、それを含めてもあまりにもあまりな仕打ちではないか。
今にしても僕はそう思う。
そして前々からドンのお気に入りだった僕を、ボスは体良く始末するつもりだった事が判り、その時点で僕はボスへの忠誠心も愛想も尽きた。
ドンに抱かれて来いって言ったのは、何処の誰だったっけ?
それはそれとして、その後も大変だった。
組織のトップが急死し、しかも弱体化したとは言え暗殺チームの長まで殺されたとあれば、その潰されかけたメンツを挽回せんとばかりに、僕を絶対に始末しにかかるだろう事は、容易に想像出来た。
組織総出で一匹の虫を始末とは、実に効率の悪い話だが、それだけ組織は体面が重視される。
その度に、僕はゲリラ戦を強いられる。
最初の内はワイヤートリックで、一網打尽もそんなに苦じゃなかった。
ただ、数が多くなってくると話は別。
一人二人殺られれば、普通に後続が警戒をしだす。
そうなると、中々始末が悪い。
そして、普段は中々群れない暗殺チームのメンバーがそこに混ざると、更に旗色が悪くなる。
手の内が知り尽くされているからだ。
正直、ジリ貧と言う他ない。
そんな事を続けて早3年。
いよいよ海に面した崖上の廃墟まで、僕は追い詰められた。
疲労もピークに達していた。
何とか一矢報いようと、物陰から躍り出ようとした。
その瞬間。
僕は瓦礫に足を取られ。
そのまま、崖下の海まで真っ逆さまに落ちていった。
そして、気が付けば。
今いる島だったと言うわけ。
我ながら、よく生きていたものだと思うよ。