Eno.463 スラオシャ

負け犬の末路

しくじった。

しくじった。
仕事でヘマをした。
それは薄汚れた世界でようやくありつけた仕事で、真面目に働いても稼げない額を一気に手に入れる仕事だ。でも、僕たちは一番失敗できない局面でそれを台無しにしてしまった。

相棒は僕に笑いかけたまま銃に撃たれて死んだ。僕は彼の傍らで彼の亡骸を埋めるための穴を掘っている。

袋に詰められた相棒の身体はもう…冷たい。
土を被せた。袋は埋もれて見えなくなった。

まだ、穴を掘る。スコップを持つ手はボロボロ。それでも負け犬のように延々と掘り続けている。

後頭部に銃が突きつけられる。
相棒、次は僕の順番みたいだ。

でも、僕はあいにく反骨精神の塊で、まだ何も諦めちゃいない。どうせ死ぬならせめて相棒に自慢できるくらい盛大な幕引きにしよう。そう思って隠しておいた手榴弾がある。僕はそれのピンを抜いて……そして、死んだ。