Eno.639 小川優雅

憧れ

オレな、ずーっとバイト奉行してたんには理由あってん。
ウチ兄弟多いんやけども、それで両親のお金だけじゃ生活していく扶持はない。せやからオレは中学から新聞配達をして、今ではバイト掛け持ちをしとるねんな。

中学の頃のオレには夢が2つあった。1つは飲食業について弟妹達にたらふく美味いモンを食わせてあげたい。1つは…スポーツ…特に野球でプロ入りすることやった。
そしたら、楽になるかなって思ったんよ。スポーツは好きやし。

やから、中学の頃は野球部に入っとった。ホントやったら朝練とか…あったんやけどさっき行った通りオレ朝は新聞配ってんねん。だから、他の子よりも練習時間は短かった。でも、それなりに効率的な練習をして、皆に追いついて、遂にはキャプテンまで任命されとったんや。

結果は、県大会優勝。地方大会まで行ったんや…やけど練習に低いボールをキャッチし損ねて脚に当たってしまったんや。大丈夫やと思っとったんやけど、どうも痛い。
その後、ヒビが入ってることが発覚して安静してろっちゅーことで出場出来んくなったんよ。

その後、地方大会を1回戦で負けたことを知らされた。この足のケガがなかったら良かったのに…と今でも後悔しとるねんな。
怪我のリスクはあるし取り返しが掴んくなるほど怪我したら、それこそ親や弟妹に迷惑がかかる。そう思ってプロを目指すのは諦めてしもたんや。
実際問題、高校入ったらバイトやる!!!の気でいたんでな…

じゃ、もうひとつの夢を見ていこうや