Eno.17 明けぬ夜の灯台守

ひかりをもとめて

──遠き夜の灯台守。


本星からは遥か遠くにある星だ。
月は破られている。と言うよりも放棄されている。
昔は肥大化した繁栄都市がそこにあったらしいが、ステーションは解体されている。
肥大化しすぎた。月は人が住むには狭すぎる。
各星にそれぞれ移住先を見つけて少しずつ分散していく最中。



──星が降り注いだ。


月は割れている。



老朽化したステーション。
移住をし続けていた人々は、この星を放棄すると決めた。
グッバイ故郷。
グッバイ私たちの星。
私たちが宇宙進出できたのはあなたたちのおかげなのだからさ。
私たちはさらなる道を求めて旅立ちましょう。


遠き夜が訪れている。
ここまで人は来ている。
遥かな時間が離れてなお、その種は種を伸ばし続けて、幾星霜。

宇宙は人のものだ。








──太陽がなくなっちゃうくらい後の話だって?

ほんとは冷え切るよりも灼熱らしいんだけど。

とんでも宇宙の話をしてるから、きっとその星は冷え切ってるんだ。






「でもそこは昔は人のほとんどが暮らす土地だったから、全くもって立派な道が整備されている」



それに合わせて星の位置が直されてるの。