Eno.3 藤野緋鳥

日記 その23

人は死ぬから美しい

人が死んだあとにはのこるもの、あるだろう?

魔法使いのきえたあとには、なに一つ残らないのだから。
立つ鳥跡を濁さず、なんて。その実、まったく美しくない。


だから人の子らよ。
掻き回して、濁して、汚して。そうして旅立っていけ。