Eno.221 ネイト・セファレイエ

6にちめ3:だっしゅつするの?

「ふねのきてきがきこえたらきゅうじょせんがくる」

きてき、すっごくきこえてるから、もうだいじょうぶだとおもうんだよ。

なんでふねのきてきがきゅうじょせんだってわかるのかって、
エルフのおじいちゃんがいってたの。

「ジーランティスは、そういうせかいだ」

せかいが「こうあるべし」ってのをきめてるんだって。
それをネイたちがまげることはできないんだって。

パパのせかいもそうなの。
パパは、せかいをつくったあかいつばさのかみさまと、それをたいじしたしろいつばさのかみさまのちをひいてるの。
それはねぇねふたりにうけつがれて、しろいつばさのナンねぇは、
あかいつばさのイナねぇがわるいかみさまにのまれたら、たおさなきゃいけないんだって。
にぃにはどっちもついでなくて、それでなやんでる。

よそのせかいしゅっしんのママは、もちろんそんなかみさまのいんねんにかかわりなんてない。

でもネイ、しってるの。
ママはせかいをまげようとしてる。
まげられなくても、パパやイナねぇがわるいかみさまにのまれなくてすむように、ほうほうをさがしてるの。

ママは、たぶんまだしらない。
ママがちょびっとだけ、せかいをまげた。
だからネイがうまれたの。
ネイはえらばれなかったむすめニームロフナッハだったの。
ほんとうはうまれるはずなんてなかったの。

それは、いいことなのかな? わるいことなのかな?
ネイにはわからない。