ぼろぼろのくま
ぼろぼろの荷馬車
食い散らかされた馬や食糧
ひと、ひと、ひと
家財道具を詰め込んで、新天地を目指す途中だった
私は、ただ黙って、息を潜めて、隠れて難を逃れた。
それが過ぎ去るのをひたすらに待っていた。
救援の戦士たちが着いたときには、何もかも手遅れだった。
足元には、飛んできたのか転がってきたのか、くまのぬいぐるみが落ちていた。
色褪せて毛並みも悪い、くたびれたぼろぼろのくま。
行く当てのない私を何も言わず受け入れてくれた善良な家族。まだ小さな子供。
我が身可愛さに見捨てたあの子。
あの子のくま。
食い散らかされた馬や食糧
ひと、ひと、ひと
家財道具を詰め込んで、新天地を目指す途中だった
私は、ただ黙って、息を潜めて、隠れて難を逃れた。
それが過ぎ去るのをひたすらに待っていた。
救援の戦士たちが着いたときには、何もかも手遅れだった。
足元には、飛んできたのか転がってきたのか、くまのぬいぐるみが落ちていた。
色褪せて毛並みも悪い、くたびれたぼろぼろのくま。
行く当てのない私を何も言わず受け入れてくれた善良な家族。まだ小さな子供。
我が身可愛さに見捨てたあの子。
あの子のくま。