Eno.562 ナナシ

浮き足たつ

船も完成し、みんなでの席を囲んで素が見えた数時間後―

残り時間の間に今後に役立ちそうなことを覚えようと釣り竿をもって離島の一画で釣り糸を垂らしていた。
ヘンな魚古代魚もいるんだなと、連れてきている機械たちに助けてもらいながら大量に釣り終えて帰ってみると

様子が変だった。

なんだろうこの違和感は、

燃料補充をしてくれるお嬢さん、改め酒の神さんがここぞとばかりに、
自分用の運搬セットから年代物のラム酒を大量に納入しそれに手を付けようする酒の友の対応に追われる子供たち。
遂には体壊してないかと心配される始末。

ここが7日だけの世界じゃなかったら、血液と少量の検体から健康な臓器や身体を作ることはできるけど
いまここでそれをしたら別の場所でもまた利用されるだけだ。
僕自身もここで日常を取り戻そうと必死になりすぎて怒っていた。

その後、酒の精は漂流船の方に向かったまままだ帰ってきていない。

こういう時は暖かくて柔らかいモノがいいんだよなと、白いおいしそうな粒コメをたっぷりの水で焚いてたべました。
-それは思い出したくない食べなれた味に似ていた。

まだ油断はできないんだよ、みんな。