Eno.328 天使グッドラック

ななつめの幸運

俺たちは幸運だ。
もの置き場もコンテナもめちゃくちゃ広くなって、最初の荷物事情が嘘みたいだ。
食い物にも全然困らなくなったし、木材や燃料もたくさんある。
俺たちは幸運だけじゃない、それぞれの得意ややれることで助け合って、
この無人島で生き抜いてきた。

皆で食べる食事に、ピザを作ることにした。
俺たちはいつだって、このテーブルができる前から
食べ物も、知識も、労働力とか、それこそ幸運も。
皆でシェアしてきたからな。

こんな宴はもうないかもと思ったら、ちょっとだけお酒を飲んでしまったけど。
師匠がばたーんって倒れちゃって肝が冷えた。
逆にシルクは酒に強そうだった。なんて生命力なんだ……。
飲みすぎないから、たまには浸らせてくれ。

そしてとっておきのプリンアラモードも、皆で。
俺が卵がほしいな~って言ってから、
ふたりが一生懸命やってくれてたの知ってるぜ。
頑張りの甲斐のある味だと、自負させてほしい。

こっそり用意してた花火を三発打ち上げた時、
砂浜に船が来てた。もうそれからはお祭りだぜお祭り。

浮かれる俺たちをよそに警戒しながら救助船の人と話すシルク。
皆で拠点に戻って、そのままクラッカーでお祝い。
その勢いで記念撮影。どれも本当に、最高の写真だ。

ああ、なんて幸運な一日だったんだろう。
全員生還させる、俺の幸運の天使としての、ひとまずの使命も終わり。

最後にやることをしなきゃな。
皆に本当のことを、打ち明けなければ。