Eno.356 舟渡しのスティラムス

【第7章】煌めく天空 知る事となる真実

共にこの島で過ごす者が何やら古びた石碑の様な物を見つけて来たそうだ。
石碑の内容はとても読める状態ではなかった様子であるが、
復元する事に成功した者がいた為に、その内容を読む事が出来たのだった。
その内容は…難解な言葉が記されており、理解するのに難儀であったが…
知識に長けた者のお陰で理解を得る事が出来た。
しかし、流石魔王と呼ばれし者だな… あのような難解な文を直ぐに理解できるとは…

どうやらこの海は石碑を記した者の魔術により、
引き潮と満ち潮の狭間に様々な世界の海を取り込む様になり…
継ぎ接ぎの様に海を作り上げた結果がこの島なのだそうだ。
我々の過ごしてきた地の海がこの世界と繋がった事で…
こうして吾輩達が共にこの島へと辿り着いたのだ。
信じられない話ではあるが…
こうして異なる地の者であろう吾輩達が同じ場所に居るという事に納得が行く。
だが…石碑に書かれた事だけが全てでは無い様子であった。
意志なる晶…共に過ごす者が見つけてきた不思議な石に秘密が隠されている様子であった。

その石の力を使う前に、以前から話に出ていた2度目の花火大会が行われる事になった。
天空へと舞い上る焔が彩る美しき光景を眺めながら
美味なる食事をしつつ歓談する一時は…やはり格別なものだ。
…いやその時なんか粉末になったヒトデとかトンデモな代物が回されてきたりしたが
あまりの惨状にその時の事あんま覚えとらんくてとりあえずオ゛ェエェエってなったのは覚えてる…

…すると、吾輩たち島の者の想いがついに届いたのか、
この島についに救助船が来たのであった。
あぁ、本当に。本当に吾輩達はこの島を脱出する事が出来るのだと。
様々な思いが、吾輩の胸の中に込み上がったのを感じたのだった。
救助船は出航までにまだ少し時間がかかるとの事。
それまでに、皆の者はやり残した事が無いようにと個々思う様に過ごしていく様子であった。

その機で、石碑と石の力を用い、事の真実を知ろうという流れとなった。
集まった資材を使い、石碑と石は星となり、天へと昇り煌めいた。
そして———————



何だそのイカダは!!??
クラファンダック2号リターンズとな!?
なんとも素晴らしい響きではないか!
って早速次々と乗り込んでる者がおr…って流されてるー!?
だがしかし…これは舟に乗る者としての血が騒がずにはいられまいよ…!
ってわけで吾輩も乗る!!吾輩もこの波に乗っていくぞっ…!!

…見事に流されたわ。やっばいわこの海域。



煌めきし星は…星を天へと捧げし者と我らの元へ煌めきを降り注いだ。
そして。星を捧げし者には何者かの記憶が映ったそうな。
その内容は…やはりこの海の正体についての物であったようだ。
この海は、様々な術が混じり合った事で…自我を持ったかの様に
様々な物を取り込む様になったのだとか。
術者が世界の境界を開いた事により…その脅威は我々の世界へにも迫る様になったのだそうだ。
様々な地から資源を強欲に取り込んでは吐き出しを繰り返して、今に至るのだと言う。
この島で様々な物品が見つかったのもその影響なのであろう。
まるで魔物の様だな。我々は魔物の体の上で過ごしていた様なものという事であるか。

壮絶な内容に、場は少し凍り付いたような雰囲気だった。
だが、流石この島の者達だった。
脱出が間近に迫ってる状況というのもあり、
皆すぐにいつもの調子を取り戻し…個々に何かを想い、時を過ごすのであった。
…脱出の時は近い。正直…救助船に乗ってもどの様に帰る形となるかは想像もつかない。
だが、こうしてこの地へと来たのだ。入口があるのならば出口もあるのであろう。
…出航までの間、吾輩もこの地でやり残した事が無いか考えつつ…時を過ごすとしよう。


しかし…不思議な出来事というものは、やはりどの様に身に起こるかわからないものであるな。
“色の見えない夢の世界”へと迷い込んだと…以前我が友も話していたしな…。
このような巡り会わせも…その様な類なのであろうな…。





あのキノコやっぱすげーわ!
食べたら妙に楽し気な調べが脳裏に鳴り響くし!!
yeaaaaaaahhhhhh!!!





…吾輩はいったい何を…