Eno.466 ヨッドラン

島が沈む


その時はもう間もなくだ。

出立の時も間もなくということ。

この島で出会った皆は、優しくて親切だった。
こんな私にも。

この島では、私も少しは人々に報いることもできただろうか。

少しは。
少しくらいは。


・・・

竹のようにさっぱりと、しなやかで伸びやかなあの男が、少し羨ましい。
暗くて孤独でも、寂しくないと思えたらよかった。
私はそうはなれないが。

でも少しくらい。
見習ってもいいかもしれない。