Eno.297 ハイウェイマン

Merry men 2

正規兵というものは、極論ただの食い詰めただけの訓練も受けてない者でもなる事は出来る。
地元特有の冬の雨が降りしきる中、定期的に来る街からの伝令が村へとやって来た。


ただその場合、一山いくらの新兵として雇われて、ほとんどが人知れず戦いで欠けて命を落としては再補充される。
そういう事実を大なり小なり理解して、将来兵士に取られるであろう親から継ぐ物のない子供が、身を寄せ合ってこういうグループになる事はある。

いつもより人が多いのは、噂が先に流れたから。
その人だかりの一番前で、体躯のしっかりした老人が、静かに伝令の言葉に耳を傾けていた。



庶民がグループに混ざる事に嫌な顔一つしなかったリーダー、ベルナール。
正2級 選抜騎士 ベルナール

良くも悪くもエチフィルドを特徴づけた画家を生み出した家の子孫、またも画家を目指すブルノ。
正3級 騎士 ブルノ

成人前から6フィートの大男、力は強いが特技は刺繍。争い向きの性格でないエミール。
正3級 騎士 エミール

その三人の下級貴族のグループに、最初にしれっと入り込んで習わせてもらった自分。
従2級 突撃騎兵 ディディエ

遠視で近接戦はからっきし、代わりに遠当ては誰にも負けないダミアン。
従2級 狙撃手 ダミアン

まさかの10男、暇さえあれば弩をいじる機械大好きジョエル。
従3級 重装弩兵 ジョエル

訳ありの子供が6人寄り添って出来たチームは、週に1度は訪れる引退兵の指導もあり、段々と戦える集団になり、全員徴用される時には新兵より上に振り分けられることとなった。

数年間6人とも無事で各地を転戦できた村の子供は、エチフィルドでは他に居なかった。

以上のもの、北の都市連合との会戦にて生死不明。家のものは後で一時金を受け取る事。




体躯のしっかりした老人は、伝令が去ってもまだそこに佇んでいた。