ボトルメッセージ

誰かへ



もし、無人島に遭難した人がこの手紙を見たら。
ひとつ呼吸をして、落ち着いてから見てほしい。

とはいえ、海に流すから、
俺が過ごしたところと同じ環境の島、という事は無いだろう。

それで、まずは火が必要になると思う。
食べ物は生だと食べにくい物が多い。
だから、近くにある木や、重りになる石を集めて
安定して火を起こせる場所があるといい。

次に、というよりはそれと同時に、喉が渇くと思う。
安定して火を起こせる場所と、何らかの水を貯めるものがあれば、
蒸留して水が飲めるようになると思う。

雨風や日差しが凌げそうな場所があるとなお良い。
思ったよりそういう環境は自分を蝕んでいくからな。

で、それで生きれるようになったら。
周りを見て欲しい。
何があるのか、自分の他に誰かいるのか。

そう言うのを理解していけば
きっと何をすればいいか自分で見つけられるようになる。

助けを呼ぶなら、多分光や大きな音だ。
これに関しては俺は確証を持ててない。
正直、運の側面も強いだろうから。

俺の状況は今、自分で作った船と、
救助に来てくれた船がある、そろそろ出航の時だ。

これを見た誰かの幸運を祈る。


俺は、ここで幸運だった。

他に30人ほどの遭難者と共に居たが、
それぞれが支え合って、生きていた。
生きている、の定義から外れてるのも居たが。

水を集めてくれる人、罠を作る人と見回る人、
食料を集めてくれる人、物を焼くために木を集めてくれる人
火の番をしてくれる人、大きな物を建ててくれる人。

本当に、支え合っていた。
ここには書ききれない程に。

だからこそ、これを読んだアンタの幸運を祈る。



スイ