Eno.76 アルジェント

黄金の光 3


…救助の船が浜辺にあり、
この生活の終わりを告げています。
様々なことがありました。
長いようで、短かった。

私を突き動かしているのは復讐の炎。
お世辞にも良いエネルギーとは言えません。
けれど。…ああ、けれども。
ここでの日々は穏やかだった。
ずっと、自分がなんなのか忘れていたから
というのもありますが、
やはり私なりにこの島で皆さんと交流することが
とても楽しかったのでしょう。
…寂しくなりますね。

再会を…約束こそすれ、きっと巡り合わないほうが
お互いにとって幸福なのでは、とも思います。
私は…やはり彼ら、彼女らとの思い出を抱いていても
手を止めることはしないでしょうから。
焦土での再会など、あまり綺麗なものではないですからね。

ただ、ずっと仲間達の幸福を祈りましょう。
神に叛いている私の願いが、どこまで聞き入れてもらえるかは
全くわかりませんが、きっと届いてくれると信じて。

貴方たちの未来が、幸福であることを。
祈らせてください。