Eno.115 ハイド・スキン

正体不明

 
どこかで見たことがある様な、けれど明確に思い出す事が出来ない。
既視感、デジャビュ。実態のない幻覚じみた記憶の隅を障る様な感覚。

それを意図的に引き起こすのが、私だ。

私を確かに知る者は存在せず、私の痕跡は追えず、私と接触をしてもその内容を希釈させる。
ごく限定的ながらも『私を隠す』異能としてこれはよく働いてくれる。


故に私の情報は既にそこには無い。
ま、使えなきゃ意味がないんだけど。


この島に居る間だけは凡人であった。