Eno.297 ハイウェイマン

Etifield

15で徴用されてから5年間。

全滅するような戦いに身を投じなかったのは、期間の半分ぐらい城兵として詰めていた事もあるが、領主様の手腕に寄る所も大きい。他の領主軍では、1年で全滅→再編成のサイクルを2回繰り返している所もあった。

だからまあ、ついにハズレを引いたか、と言った感じだった。

大きめの野戦の近くに居合わせて、領主様の見積もりでは増援として駆け付ければ少し有利という所だったが、いざ着いてみると盛大に一回ぶつかった後で、ろくなぶつかり方にならなかったのは火を見るより明らかだった。

乱戦になった。6人のうち3人は戦って気絶。
遠視のダミアンは肉薄されるとまず間違いなく命が無いので、何とか見つけて自分と戦場を離脱。
相手にも相応の被害は出せていたので、何とか気絶後捕まっていた3人と、近くにいたうちの領主軍数人を、戦闘後のどさくさに紛れて連れ出した。


ベル────ベルナールは、馬上槍で事故を起こした盛大に相打ちになった後、動けないまま軍馬に蹴られるのを見た。
まだ息があっても、捕虜としてカウントされるかどうか。

少なくともダミアンが遠くから必死に目を凝らしても、ベルを見つける事は出来なかったようだ。

「ここからどうする?」

仲間の一人が、尋ねてきた。