Eno.562 ナナシ

星の記憶と海

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かの海は多くの資源を蓄え、そして誰かに奪われる日々。

そんな『魔の海』は、今日も晴天の元に佇んでいる。
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シャイニングガレオンドラゴン号の自動運転機能の構築を進めていた時だった、空に満点の星が煌めいていた。いつのまにか、この世界に関する記録を見つけ出して復元していたらしい。

定期的にここではない世界の存在を呼び寄せて食べる怪物の世界。
なら何故なら動物だけはいる?

僕の仮説は、
「文明をもつ存在を好き好んで捕食しているなら、動物たちのシェルターみたいな場所がある」
だ。
対して守さんは「どっかからとってきた動物を吐き出してオレたちを肥やしてたかも〜〜」といった。
いかなる場合でも、ここから脱出することが最優先であることは変わりない。

 そう考え不安になりかけている僕は、
サカエさんの元気な声に救われたよ。船用の荷車の件もあったから倉庫に埋もれていた指輪を磨きあげてプレゼントしたんだ。気に入ってくれるといいな。