旅立ち
きらきらと、幻想的な光が空を染めている。
少しずつ少しずつ、わたしはその光から遠ざかっていく。
見送るひとの姿がまだ見えるような気がした。
もちろんそれは、きっと幻だったのだろうけれど。
もう一つの船も問題なく出港しただろうか。
ユグとみんなと作ったこの星渡りの船で、わたしはまた旅に出る。
どこに辿り着くのかはわからない。
ひとりぼっちの旅だ。
わたしは大事な種を持っている。
帰るべき場所がある。
種を運ばなければならないのだ。それがわたしの役目だった。
愛しい者と別れ、馴染んだ世界を離れて、文字通り星の海を渡って。
どこにあるのかもわからない、帰るべき場所へと向かっている。
わたしは旅の途中だった。
少し休む為に、たまたま辿り着いた場所がこの海だった。
ずっとずっと昔の記憶が蘇ったのは、この世界に馴染む為に必要だったのだろうか。
わからないけれど、それはわたしにとってとても嬉しいことだった。
楽しくて、嬉しくて、懐かしくて、泣きたくなるほど。
優しい海だった。どうもありがとう。
小さな瓶に詰めたポプリには、まだちゃんとあの島の香りが残っている。
それから、ユグに貰ったお守りをしっかりと胸に抱いて。
多くを持っていくことは出来ないから、この2つと、思い出だけを貰っていこう。
いい休暇だった。
きっと忘れることはないだろう。
![](https://www.rabbithutch.site/usagoya/picture.php?user=harunoyoiyami&file=icon.webp)
遠い遠い昔に別れた、わたしの母にどこか似ていたひと。
たくさんの祈りをくれた、わたしの友達。
小さな囁きにいっぱいの感謝を込めて、遠くに広がる海を見つめる。
その先に広がる遥かな遠い星の海を。
どこかに必ずあるはずの、故郷を。
少しずつ少しずつ、わたしはその光から遠ざかっていく。
見送るひとの姿がまだ見えるような気がした。
もちろんそれは、きっと幻だったのだろうけれど。
もう一つの船も問題なく出港しただろうか。
ユグとみんなと作ったこの星渡りの船で、わたしはまた旅に出る。
どこに辿り着くのかはわからない。
ひとりぼっちの旅だ。
わたしは大事な種を持っている。
帰るべき場所がある。
種を運ばなければならないのだ。それがわたしの役目だった。
愛しい者と別れ、馴染んだ世界を離れて、文字通り星の海を渡って。
どこにあるのかもわからない、帰るべき場所へと向かっている。
わたしは旅の途中だった。
少し休む為に、たまたま辿り着いた場所がこの海だった。
ずっとずっと昔の記憶が蘇ったのは、この世界に馴染む為に必要だったのだろうか。
わからないけれど、それはわたしにとってとても嬉しいことだった。
楽しくて、嬉しくて、懐かしくて、泣きたくなるほど。
優しい海だった。どうもありがとう。
小さな瓶に詰めたポプリには、まだちゃんとあの島の香りが残っている。
それから、ユグに貰ったお守りをしっかりと胸に抱いて。
多くを持っていくことは出来ないから、この2つと、思い出だけを貰っていこう。
いい休暇だった。
きっと忘れることはないだろう。
![](https://www.rabbithutch.site/usagoya/picture.php?user=harunoyoiyami&file=icon.webp)
「……さよならだ、ユグ」
遠い遠い昔に別れた、わたしの母にどこか似ていたひと。
たくさんの祈りをくれた、わたしの友達。
小さな囁きにいっぱいの感謝を込めて、遠くに広がる海を見つめる。
その先に広がる遥かな遠い星の海を。
どこかに必ずあるはずの、故郷を。