花波シオンの記録【1】
ここ最近単独活動が多かった私たちは、久しぶりに一行全員でひとつの依頼を受けた。
『海辺で行方不明になったひとたちの捜索』――それが今回の依頼内容。
実は以前コレと同じような通報があって、その時はアテリアの友達のランと、託都っていう男のひとと、クラリスっていう女の子の三人だけだったんだけど、今度は大規模で、集団で行方不明になったんですって。
確かこの時、レイワが『何処か知らない異世界に飛ばされたかもしれない』って推測していたらしいから、今回もその可能性を疑って早速大海原へ漕ぎ出す事にしたわ。
捜索兼救助船は依頼を出した団体が出してくれたんだけど、全員一緒に乗るのは効率が悪いって事で、用意された四隻に一人ずつ乗る事に……って結局単独行動じゃない? これ?
まぁそんなこんなで、海の船旅を満喫……している場合じゃないんだけど、とにかく行方不明者の捜索をする事にした私たち。
飛ばされた先の異世界が海だけだったらどうしようもないけれど、例えば無人島なんかがあれば、そこに遭難しているかもしれないわ。
同じ島に流れ着いた遭難者同士で手を取り合っていれば、現在も生きている可能性は高いハズ。
そう思っていたのだけれど……。
『へい、こちらサバイバー。見つけた限り全部の島を確認したけど、生存者が居ないどころかほとんど沈み切った痕跡しか無かったぜ……』
『こちらディーマだ。……残念ながら、こちらも生存者を発見する事ができなかった。どうやら彼らは、協力し合う事ができなかったらしい』
『こちらレイワ、同じく生存者の確認は取れず。依頼を受けたのが一足遅かったようだな……あと一週間、いや、せめて一日前だったならば……』
それからどれくらい経ったか、他の船に乗っていた三人からそれぞれ連絡が来た。
でもどれも吉報じゃなく、凶報ばかり。
私は深い溜め息を吐き、沈痛な面持ちになった。
肝心の無人島が沈んでしまったら、それはもう海だけの世界と変わらない。
海に生きる種族でも無い限り、陸地無しでは生きていく事ができない。
事実、私が今まで見つけた島々もほとんどが沈み切っているか、或いは辛うじて面影を残していても、恐らく遭難者同士で争った痕跡や、島に生息していた野生の生き物に襲われた痕跡しか残っておらず、ここまで生存者は一人も見つからなかった。
今回の依頼は諦めて、私も収穫無しって言おうとした、まさにその時だった。
「し、シオンさん! あそこに島があります! しかも、沈み始めて間も無い島が!!」
『海辺で行方不明になったひとたちの捜索』――それが今回の依頼内容。
実は以前コレと同じような通報があって、その時はアテリアの友達のランと、託都っていう男のひとと、クラリスっていう女の子の三人だけだったんだけど、今度は大規模で、集団で行方不明になったんですって。
確かこの時、レイワが『何処か知らない異世界に飛ばされたかもしれない』って推測していたらしいから、今回もその可能性を疑って早速大海原へ漕ぎ出す事にしたわ。
捜索兼救助船は依頼を出した団体が出してくれたんだけど、全員一緒に乗るのは効率が悪いって事で、用意された四隻に一人ずつ乗る事に……って結局単独行動じゃない? これ?
まぁそんなこんなで、海の船旅を満喫……している場合じゃないんだけど、とにかく行方不明者の捜索をする事にした私たち。
飛ばされた先の異世界が海だけだったらどうしようもないけれど、例えば無人島なんかがあれば、そこに遭難しているかもしれないわ。
同じ島に流れ着いた遭難者同士で手を取り合っていれば、現在も生きている可能性は高いハズ。
そう思っていたのだけれど……。
『へい、こちらサバイバー。見つけた限り全部の島を確認したけど、生存者が居ないどころかほとんど沈み切った痕跡しか無かったぜ……』
『こちらディーマだ。……残念ながら、こちらも生存者を発見する事ができなかった。どうやら彼らは、協力し合う事ができなかったらしい』
『こちらレイワ、同じく生存者の確認は取れず。依頼を受けたのが一足遅かったようだな……あと一週間、いや、せめて一日前だったならば……』
それからどれくらい経ったか、他の船に乗っていた三人からそれぞれ連絡が来た。
でもどれも吉報じゃなく、凶報ばかり。
私は深い溜め息を吐き、沈痛な面持ちになった。
肝心の無人島が沈んでしまったら、それはもう海だけの世界と変わらない。
海に生きる種族でも無い限り、陸地無しでは生きていく事ができない。
事実、私が今まで見つけた島々もほとんどが沈み切っているか、或いは辛うじて面影を残していても、恐らく遭難者同士で争った痕跡や、島に生息していた野生の生き物に襲われた痕跡しか残っておらず、ここまで生存者は一人も見つからなかった。
今回の依頼は諦めて、私も収穫無しって言おうとした、まさにその時だった。
「し、シオンさん! あそこに島があります! しかも、沈み始めて間も無い島が!!」