Eno.297 ハイウェイマン

Walk it off

元の世界での最後の記憶。

問題を起こす傭兵の一団を追い詰めて、押し込んで、あと一息の所で別の一団に横槍を入れられた。

その横槍を入れてきた頭っぽい奴と交錯する直前、馬がつんのめって……この馬も元々ベルの馬で。

そろそろ誰か、ベルの方に行って欲しいんだろうな。1人と5人に分かれるのは嫌だよな。

不思議と納得しながら、速度の乗ったメイスの一撃で橋から叩き落された。

沈む身体と沈みゆく意識。
目はどこかにベルがいないかなと水の底を追っていた。


……ただ、目が覚めたのはこのシマ。
他の人と出会って、渇いて、飢えて、危機を乗り切って、呑んで、約束をして………
ここでも愉快な仲間Merry menが出来た。

一回納得した気持ちを翻すのはそれでも苦しかったけど、島と運命を共にするつもりはもう無かった。


「更に待たせて悪いな、ベル。」

そう呟いて、船に向かい歩き出した。