Eno.562 ナナシ

門出の

水路の整備もした。
あとは試運転をして船を出せる時を待つだけだ。
一度7日を過ごした拠点の広場に顔を出したところ、自力脱出すると決めたが実際は誰が操縦するかを相談していた。形は異なるが操縦経験があるという守さんに任せて休憩中は自動運転で進める方向で自然にまとまりそれぞれに荷造りや思い出作りの時間が流れていく中も島は沈んでいく。
 この世界の主にたいして「残念だったな」と意思表示するべく僕自身も倉庫の撤収作業と残っている食材の調理を楽しんで時間とおなかが空いてることなんか忘れてやっていた。
何回倒れたっけ、あの世界で暮らしていたら絶対になかった感覚だ。

 帰りたい場所、行きたい場所があるって本当に嬉しいことなんだね。
まず最初の行先は、「ハワイ」という、地球の一地域。ヨッドさん曰く遭難二次会とのこと。
僕はそうだね、みんなを送り届けながらいろいろな世界を見ていこうかな。