Eno.396 最寄近場

【遭難記17】



沈む島を船の上からずっと眺めていた。
水浸しの内陸部が太陽光を反射して、島全体が光っているみたいだった。
それを美しいと思う。

皆が船に乗ってくるのも眺めていた。
誰かが声をかけて、誰かが笑って。
誰かがふざけて、誰かが心配して、誰かが注意を促しながら憤ったりして。
それを美しいと思う。












ああ、アンタ達はいったい誰なんだろう。
知りたいな。