Eno.87 ロンチー

とある海賊の噂話

「なあ」
「なんすか」
「暇だから噂話していいか?」
「はあ、まあいいっすけど」
「最近、どこぞの海で幽霊船を見たって話があってな」
「今日日幽霊船の話なんてする奴いるんすね」
「しちゃ悪いのかよ。まあ悪くてもするけど」
「カスっすね」
「うるせー黙って聞け。その船がまたヤバいんだよ」
「幽霊船ってだけで普通にヤバいと思うんすけど」
「そう思うだろ?なんか凄腕の狙撃手が乗ってるらしいんだよその幽霊船」
「なんで精神的恐怖の存在に物理的恐怖の存在掛け算したんすか?」
「俺が聞きたいんだよな」
「はあ」
「しかもだ」
「まだあるんすか」
「6本腕の女も乗ってるらしい」
「もう幽霊とか関係ないじゃないっすか」
「さらに」
「もうお腹いっぱいなんすけど」
「全裸にコートだけ着た女も乗ってるらしい」
「なんなんすかその船」
「幽霊船」
「聞いた事ないタイプの幽霊船やめてもらっていいすか」
「俺に言うなよ」
「じゃ誰に言えばいいんすか」
「……その幽霊船とか?」
「はいはい。……キャプテン、そろそろ仕事戻って貰っていいすか?」
「やだよ俺もう今日は操舵しすぎて疲れたもん。
 はー綺麗なオネーチャンに膝枕されながらアイス食わせてもらいたい」
「後半関係ないただの願望じゃないっすか仕事しろ」