Eno.17 明けぬ夜の灯台守

きょうだいは、

家族仲は良かったと思っているが、弟からするとそうでもなかったのかもしれない。

両親は子供2人に対して平等に愛を注いでいたと思うが、弟からするとそうでもなかったのかもしれない。
人間の価値観とは家族によっても違ってくる。
持ち合わせた能力による目線の違い。
オレは確かにできるほうだったから、弟の分も肩代わりして小麦を刈ることをやっていた。
だってそっちの方が早いし。
だからと言って弟の能力を評価してないわけではなかった。
細かいところによく気がつくのはあっちだ。

パッと見たらできるのはオレだったのかもしれないが、弟の方が繊細なところまで気がついていた。
だからオレはそれを評価していたんだけど。
両親も褒めてたはずなんだけど。

なんか、そうではなかったらしい。


──顔が、よく似ていた。