Eno.249 ゼルカ

終:『いつか』の約束。

救助船は砂浜を離れ、海へと進んでいった。
島にいたみんなは自分で作った船に乗ったり、俺と同じように此処にいたり…そしてワイワイとしているようだ。
特に持っていくものはなかったが水と食料は持って行くことにした。船の上じゃ何もできないので。
その後調査船とかの学者っぽい人が色々言ってたな。

それにしても…長いようで短い島生活だった。
一週間くらい経っていたらしいけど。
みんなと遊べたり、ワイコロっぽいことやったり、キノコ食ったりバカやれて楽しかった。

次にみんなに会えるのはあのお祭りの時、
その時は敵だったり味方だ。
楽しみだな、また戦えるの。
今回でみんなと仲を深めることができた気がするから…。

帰ってきたら十五夜先輩に色々話そう。
楽しかったことやたくさんの戦士にあったこと、いっぱい言おう。
…もしかしてあの人と流されてたりしないよね?

昔焼肉を食べに行ったら流されてしまったことを思い出す。
そんなわけ……ね?

そういえばこの島、狂月さんみたいな人がいたよね…。
あの人、すごく木を切ってくれたりして頼もしかったなぁ。
名前は『るづきさん』だっけ………ん?
気のせいかなぁ…はは…。



船に乗ったあとの、あの人が言った言葉を思い出す。


いつか・・・どこかで僕達を見つけてくれ!!からなずっ!!!」


もしかしたら、いつか会える日が来るのかもしれない。


いつぐらいかなぁ。


意外と早かったりして?


まぁわからないけど。


でもどこかで絶対見つけよう。


これは『約束』だ。

ゼルカ
「いつか…絶対」







そうして自分の世界への帰路が近づく。



平穏でどこか静かな日常がやってくる。



それは案外暇なものかもしれない。




船の汽笛が鳴る。



目線を海の方へ移す。



もうそこに島は見えない。



あるのは、太陽に照らされ輝く波打つ海上であった。