Eno.434 エイリーク・N・A・ウエザラル

海の底で・・・・。

 
その日・・・・世界が海に沈んでゆくのが見えた。

ゆっくりと・・・・でも目に見えるような速さで・・・・。


  
 
 
ぼくたちは・・・・ゆっくりと海へと沈んで行った・・・・。





その身を変えてゆきながら・・・・。

最初は・・・・息を止めて苦しかったけど・・・・姿が変わって
いって呼吸が出来るようになった。




もう、ぼくたちはヒトじゃなくなった。

2匹の深海生物に変わっていた・・・・・。


でも・・・・こわくない・・・・いっしょにいてくれるから。


ずっと、寄り添ってくれるから・・・・怖くないよ?


だから400兆年でも・・・・もっと長い時間でも、あなたと
いっしょなら耐える事が出来るよ。


いつか・・・・水が引いて・・・・再び世界が現れる時が来ても
ぼくは、ずっと あなたといっしょにいるよ。

もう・・・・さみしくないよ。


いつか・・・・ヒトの姿を取り戻した時に、ここでの出来事は
夢だと思うのかな・・・・?

でも・・・・ぼくは忘れないよ・・・・あれは夢じゃなかったって。

きっと断言できる。


ぼくらが・・・・この海で生き続けたことを決して忘れない・・・・。


・・・・その日が来るまで。




エイリーク・N・A・ウエザラル slutt.