Eno.166 セロカ・ネイ

8-4:特に異常なし

ま、のんびりしよう。


(一方その頃)

レプティス公国第三公女ネイト・セファレイエが行方不明になって一週間が経過した。
普段なら公妃の知人の魔術師が探知魔法で居場所を突き止めるのだが、その魔術師も事故で行方がわからなくなっていた。
(魔術師と公女が同時期に行方不明になったことは偶然だと、事故に居合わせた公妃は断言している)

少なくとも公国のある世界にはいないところまでは公妃の探知魔法で判明したのだが、世界を超えて行方を探すことは公妃の魔術ではできない。
故に、魔術師からの連絡を公妃は待ち侘びていたのだが――

「アイツやっばしジーランティスか!
世界がわかりゃ問題ない! ちょっと飛んでくる!!」

叫ぶや否や、公妃はどこかへ転移して消えた。