Eno.249 ゼルカ

後日談2:海に行こう。

…ぽかぽかと暖かい空気の中涼しい潮風が体を通って行く。
波の音も聞こえ、今もキラキラと波打っている。
まだ春なのに海に来たようです。

フェル
「…海?」

ゼルカ
「そう、ここの海の近く…綺麗でお洒落なお店があるって
 マルコさんから聞いてさぁ」

フェル
「そう………ねぇ」

ゼルカ
「うん?」


フェル
「アンタ…また『絶対領域ジーランティス』に行ってたみたいだけど…。
 今回は流されたわけじゃないわよね?」

ゼルカ
「え?なんでそれを…?」

フェル
「…あそこ画廊でいろんな目に遭ったみたいね。
 私、やめとけって言えば良かった」

ゼルカ
「フェルちゃん…」

フェル
アンタ、死にたいの?
 私が、どれだけ心配してると思ってるの?
 あの時・・・からずっと、アンタの自己犠牲は変わらないじゃない

 アイツらの事、私は良く見てない…アンタが…
 ゼルカが、酷い目に遭ってたから…」


ゼルカ
「……フェルちゃん、俺ね…死にたいなんて思ってない。

 確かに、誰かの為を思って無茶し過ぎるところはある。
 でも、恋人を置いて死ぬほど馬鹿じゃないよ

「あとね…あの人たちと、仲良くなれた気がするんだ。
 いろいろ話したりして…なんとなく知ることもできた。
 約束もしたし…多分次は、フェルちゃんが思うような
 現実にはならない…多少のおふざけはやるけど。
 
 それに今回の件は俺にも非があったから…」


フェル
「………」


ゼルカ
「でも…心配かけてごめん。
 俺は何処にも行かないよ、ずっとフェルちゃんと一緒にいるよ
 君がそばにいてくれるだけで…俺は満足なんだ

 だから…フェルちゃんも俺を置いて何処へ消えようとしないで
 一言でもいいから、何か言って欲しい。
 この前の空に浮かぶ島とか、お祭りのこととかね」



ぎゅぅっとフェルを優しく抱きしめる。

フェル
「…わかった……でも無理はしないで」



ゼルカ
「うん……よし!この話おしまい!!!
 さ、甘いもん食べにいこうぜ!」




彼女とちゃんと…話をしたゼルカだった。



続く…?