Eno.231 けだま まひる

あかり

私が流された時に持っていたもの。
ペンライト、ペットボトルの水、飴玉。

どこに行く時でも大体持っていく。
こんなに頼りになるなんて、正直思ってなかったんだけど。

帰り道。
ペットボトルは樽とドラム缶になった。
…飴玉は帰り支度で作ってたけど、ささやかなお詫びとお礼とお別れに。
ペンライト。島にいる間の足元を照らしてくれた。ささやかな光だけどこれがなければもっと大変だっただろう。
来た時にはなかったクッションや浮き輪。
アヒルのおもちゃもマネキンも。
思い出が心を照らす。心を揺らす。蝋燭のように。
みんなの元気な気配。それだけでまわりが明るくなる。

光。応援の光。
誰かを照らす。ペンライトも、焚き火も、灯台も、花火も。
誰かが照らす。あなたが、そして、わたしが。

誰かの輝きに、今まで元気をもらっていた。
多分それはこれからもずっと変わらない。

でも、これからは。
自分も。
ささやかでいい。
暗闇に灯る小さな灯りがとても心強いことを私は知っている。

心の中の小さな灯りで、私はみんなをずっと応援している。



また、どこかで。