Eno.44 永埜目 詠

航海中……

島が沈んでから2日。
皆で船に乗って、ただひたすらに海を越えることを目指して進んでいる。
僕は行かなかったけど、途中で会った船のおじいさんによると、
ここは……絶対領域ニーハイソックス……? というところで、
とにかく、『異なるものは、元いた所へ』望むのなら帰れるそうだ。
ひとまずはぐるぐる無為に回るようなことがなければ大丈夫だろう。

船の上で、これからの話が出ていた。
僕たちは流島高校の生徒ではあるけれど、クラスも学科も制度も違っていて、
再集合するために新しい部活を建てるのはどうか、と。
三三九里くんの白羽の矢がなぜか僕に立って、どうやら部長候補だったらしい
大船くんに勝負を挑まれたので手押し相撲をした。
けっこう接戦になって、面白かった。
最終的には僕が勝ったので、僕が部長……ということになるらしい。
部の申請とか、色々、しないとなあ……。

それと、今日は嬉しいことがひとつ。
乗り遅れたらしくてずっと心配していたデス之内くんが、泳いで追いついてきた!
なんかシロナガスクジラといっしょに……。
友達なのかな? 一人じゃなくてよかった。
これでやっと、帰ることに集中できる。


それから、
…………。