思い出に咲く花
ふ、と。意識が浮上する。
見慣れた景色、けれど久し振りな気もする世界。
『あぁ…帰って来たんだ』
視線を横に向ける。
見えた荷物は、紛れもなくあの島で手に入れた物ばかり。
青い勿忘草、黒い包帯。
それに手を伸ばし、そっと抱き締める。
『離れていても仲間だからね』
優しい風が吹く。赤い髪を揺らす。
自然達がおかえりと告げてくれる。
『ただいま、皆。
芍とか他の精達は怒ってなかった?
…大丈夫?そっか…なら良いんだけど…』
たった一週間居なくとも、精霊達にとっては大した時間ではない。
だから誰も心配しなかったのかな。
…友人達なら、きっと心配してくれるんだろう。
『私ね、とっても個性的な人達と友達になったんだよ。
お話聞いてくれる?
あのね……』
暖かな日差しを浴びながら、詠うように、言葉を紡ぐ。
それはとても朗らかで、春に開く花のよう。
牡丹の花は楽し気に揺れる。
風に運ばれる香りは甘やかに。
別世界に帰った友人達へ、届いていると良いな。
見慣れた景色、けれど久し振りな気もする世界。
『あぁ…帰って来たんだ』
視線を横に向ける。
見えた荷物は、紛れもなくあの島で手に入れた物ばかり。
青い勿忘草、黒い包帯。
それに手を伸ばし、そっと抱き締める。
『離れていても仲間だからね』
優しい風が吹く。赤い髪を揺らす。
自然達がおかえりと告げてくれる。
『ただいま、皆。
芍とか他の精達は怒ってなかった?
…大丈夫?そっか…なら良いんだけど…』
たった一週間居なくとも、精霊達にとっては大した時間ではない。
だから誰も心配しなかったのかな。
…友人達なら、きっと心配してくれるんだろう。
『私ね、とっても個性的な人達と友達になったんだよ。
お話聞いてくれる?
あのね……』
暖かな日差しを浴びながら、詠うように、言葉を紡ぐ。
それはとても朗らかで、春に開く花のよう。
牡丹の花は楽し気に揺れる。
風に運ばれる香りは甘やかに。
別世界に帰った友人達へ、届いていると良いな。