Eno.337 或る虚伝より生まれ抗うモノ

No,25_どうやら、そろそろ

少しずつ、自身の魔力が巡り巡る感覚が蘇る。
あの島では無理矢理でなければ行使出来なかった―実際に行使した処、即ぶっ倒れた―魔法も、少しずつ戻ってきている、らしい。
尤も、行使は未だ出来ないので、確認は帰還してからになるだろうが。

だが、俺とショゴルークが“画廊”に帰還する目処は、全く立っていない。
何せ原因となった“絵画”は、俺達を空中に放りだしやがったのだから。



何方にせよ、彼奴等とは、もう二度と会う事は無いだろう。

其れで良い。
というより、其れが良い・・・・・
寧ろ、綺麗サッパリ忘れてくれれば、より好都合だ。



“俺”が人類現実に認知されるのは、其れ即ち“世界人理”にとっての不都合なのだから。