Eno.178 楠原柚心

陽キャはそんなに怖くないのかもしれない

大学デビューではなく、無人島デビューをしてしまったなど
いろいろなことがあった。

気づいたら私は実家の近くの海に居て、
時間としては1時間くらい経過していただけだった。
……ただ、向こうで作った飴とか
連絡先をもらった紙とか、持ち物はなんか増えていた。

みんな明るい子が多くて私は足手纏いになると思ったし、
迷惑かけちゃうとか、明るい陽キャに囲まれて
溶けちゃうかもっておもったけど、
陽キャだからって全員悪い人なわけじゃないし、
私の周りの人がよくなかっただけ、ということにも気づいた。

なにより、フードコーディネーターを目指そうと思っていて、
そこまですごい料理は材料面からもできなかったけど
みんな喜んでくれてとれも嬉しかった。

***

「不思議な経験だったし、もう二度と経験したくないことだけど
それでも良い経験だったのかなって思うなぁ……」

「けど…………」


「……引っ越しとか大学入学準備全然終わらない……」