~そして、それから~
――辿り着いた其処は、白く、冷たく、そして暗い建物の中だった。
しん、と、静まり返った床に、 は辿り着いた。
尤も にとって、此の暗さは大した障害にもならないのだが。
てちとて、てちとて。
音無き歩みで、 は進む。
直感が、告げているのだ――“わが は ここ に いる”と。
ほんの僅かに開いていたドアへ、擦り抜ける様に入っていけば。
其処には、何本ものコードに繋がれた、萎びた様に皺苦茶で枯枝の様に痩せ細った老人が、寝床に横たえられ。
其の周囲に、幾人かが集まって、老人に向かって何かを呼びかけ続けていた。
直感が、本能が告げた――かの老人こそが である、と。
周囲の者は、入り込んだ に気付かない。
当然だ、だって は幽霊なのだから。
だから、恐らく も、 には気付かない――
「…………、……、?
…… 、 ………… ……?」
――!
* * *
私は、ずっとずっと、悔いていた。
あの無人島に、 を置いてきてしまった事を。
せめて、彼処で埋めずに、躯だけでも連れ帰ってやれば良かった、と。
そんな後悔を、ずっとずっと胸に秘め。
其の儘、こうして老いて、もうすぐ事切れようとしている。
きっと、私は地獄行きだろう。
だからこそ――だからこそ、幻覚かと思った。
だって、あの子が、 が、直ぐ其処に現れたのだから!
力の無い腕を、精一杯、 へ伸ばして――
* * *
あぁ あぁ わが かいぬし よ!
わがはい は ここ に いる ぞ !
がんばって かえって きた ぞ !
嗚呼、嗚呼、私は夢を見ているのだろうか?
ゆめ では ない ぞ !
まちがい なく わがはい で ある !
かいぬし の で ある !
嗚呼、嗚呼……よく、よく帰って来てくれた。
有難う、 ……
此処まで、とても大変だったろうに……
うむ !
だが に あえた !
それ だけ で わがはい は もう だいじょうぶ だ !
これから は こんど こそ ずっと いっしょ で ある !
うん、うん……そうだね。
じゃあ、一緒に行こうか。
うむ !
そう だ せっかく だし わがはい の たびじ を きいて くれぬ だろう か ?
勿論。
是非とも、聞かせて欲しいな――
*ピ――――――――*
「……御臨終です」
「あぁ、お■さん……!」「お■■ちゃん!」
* * *
かくして、此の物語は、此れにて閉幕。
其の日、天に召し上げられた彼等は。
寄り添うように、煌めく星と成ったのだった――
Ending : EX
空にて寄り添う、二つ星 - True Happy End -
シマナガサレv2.5お疲れ様でした!
しろねこ(推定)は旅立ちましたが、クリトラで縁があったら夜露詩句な!!→:/ http://ct.428.st/?mode=profile&eno=123 /:
しん、と、静まり返った床に、 は辿り着いた。
尤も にとって、此の暗さは大した障害にもならないのだが。
てちとて、てちとて。
音無き歩みで、 は進む。
直感が、告げているのだ――“わが は ここ に いる”と。
ほんの僅かに開いていたドアへ、擦り抜ける様に入っていけば。
其処には、何本ものコードに繋がれた、萎びた様に皺苦茶で枯枝の様に痩せ細った老人が、寝床に横たえられ。
其の周囲に、幾人かが集まって、老人に向かって何かを呼びかけ続けていた。
直感が、本能が告げた――かの老人こそが である、と。
周囲の者は、入り込んだ に気付かない。
当然だ、だって は幽霊なのだから。
だから、恐らく も、 には気付かない――
「…………、……、?
…… 、 ………… ……?」
――!
* * *
私は、ずっとずっと、悔いていた。
あの無人島に、 を置いてきてしまった事を。
せめて、彼処で埋めずに、躯だけでも連れ帰ってやれば良かった、と。
そんな後悔を、ずっとずっと胸に秘め。
其の儘、こうして老いて、もうすぐ事切れようとしている。
きっと、私は地獄行きだろう。
だからこそ――だからこそ、幻覚かと思った。
だって、あの子が、 が、直ぐ其処に現れたのだから!
力の無い腕を、精一杯、 へ伸ばして――
* * *
あぁ あぁ わが かいぬし よ!
わがはい は ここ に いる ぞ !
がんばって かえって きた ぞ !
嗚呼、嗚呼、私は夢を見ているのだろうか?
ゆめ では ない ぞ !
まちがい なく わがはい で ある !
かいぬし の で ある !
嗚呼、嗚呼……よく、よく帰って来てくれた。
有難う、 ……
此処まで、とても大変だったろうに……
うむ !
だが に あえた !
それ だけ で わがはい は もう だいじょうぶ だ !
これから は こんど こそ ずっと いっしょ で ある !
うん、うん……そうだね。
じゃあ、一緒に行こうか。
うむ !
そう だ せっかく だし わがはい の たびじ を きいて くれぬ だろう か ?
勿論。
是非とも、聞かせて欲しいな――
*ピ――――――――*
「……御臨終です」
「あぁ、お■さん……!」「お■■ちゃん!」
* * *
かくして、此の物語は、此れにて閉幕。
其の日、天に召し上げられた彼等は。
寄り添うように、煌めく星と成ったのだった――
Ending : EX
空にて寄り添う、二つ星 - True Happy End -
シマナガサレv2.5お疲れ様でした!
しろねこ(推定)は旅立ちましたが、クリトラで縁があったら夜露詩句な!!→:/ http://ct.428.st/?mode=profile&eno=123 /: