Eno.184 アメトリン

記録の終わり。

「…さてと。」

オレは紙の塊を綴じた。シマに流されてから少しずつ書いていた紙の一枚一枚は、まとめるとちょっとした冊子になっていた。
世界にひとつの遭難日誌。
現世に蘇りし古代竜エンシェントドラゴン島日誌

オレはそれを大事に旅行鞄に仕舞った。
シマの貝で作ったネックレスと、不思議なお守りと、この冊子が、この一週間の思い出を形にしたもの。

忘れたくない大事な大事な思い出。

もし、他の皆がオレを忘れてしまっても…忘れてくれて構わないや。
オレがずっと覚えているから。

楽しかったこと、大変だったこと、本当に色々あったなぁ。

俺は、目を閉じた。

君は、突き落とされた冷たい海で記憶を手放して、黒い門を通って形を喪った。今は、覚えていたいと思う?生きたいと思う?



…うん。大切なものを覚えてたい。大切なものを大事にしたい。姿が変わっても、生きていたい。



………そっか。…もう、似ても似つかないけれど、俺がそう言うなら、俺は嬉しいよ。君の道に幸多からんことを。



………?

オレの中で、何かがスッと、抜けた気がする。
ほんのちょっとだけ寂しくて、でもどこか清々しい。

オレはオレアメトリンとして、これからも生きていく。

さて、そうと決まればまずはハワイを楽しまなきゃ!

また楽しい世界だといいなぁ!

その後、派遣されたヒットマンに右往左往することになるのだが、それはおそらく別の話


交流してくださった皆様、ありがとうございました!!!とても楽しかったです!!!!