Eno.337 或る虚伝より生まれ抗うモノ

No,XX_斯くして

此度の騒動は、彼等の生還によって、一先ずの終息を迎える。

此の影響が何れ程のものなのか、今後どう響いてくるのか。
其れは、まだ、何も判らない。

けれど、きっと。

決して悪いものではない、と、今は、信じよう――














「……ふむ。
 手持ちの図鑑と照らし合わせた、個人的な推測になりますが……

 燃え盛る方は“レジネン”。
 凍てつく方は“レフロス”。
 種を飛ばすのは“レスプ”。
 鮮やかなのは“リラベンド”。
 何れも、いつだったかの“空中庭園ソラニワ”で良く見かけた植物です。

 残る一つは……此方の情報で、完全合致しそうなものは不明ですね」

「……むー……
 謎が、謎のまま……凄く、不完全燃焼……」

「強壮作用であれば“ヴァイタ”が該当しますが、あれは白と青紫のグラデーションでしたね。
 “イブニス”の薬効は一部品種のみで情報は不確定でしたし、“フウガ”は紫にしては淡い色合い。
 “コプラ”は……寧ろ毒というべきか……
 薬草、という意味であれば“コリノ”や“メディ”、“ローア”が該当しますが、花弁の色が合致しませんし。
 …………もしや“ランドラ”か?…………いや、あれは……そもそも……」 *ぶつぶつ*

「……まぁ、でも。
 解析して、損は無い……そういう、事、でしょう?」

「えぇ、其れは勿論。
 転移事故を可能な限り防ぎたい立場として、<絶海領域ジーランティス>に纏わる情報は多くて損は有りません」

「不思議な石や、きのみ各種についても解析しなければなりませんね。
 此方も此方で支社長業務も有りますが、なんとか時間を作って作業をしていきましょう」



「お前も、確認お疲れ様。
 ……今は、“ミュール”と呼ぶべき、でしょうか」

「……ん。
 そっちも……あんまり、無茶無理無謀は……しないで、ね」

「……ふふ、耳が痛いですね」 *苦笑*




おしまい。


シマナガサレv2.5 お疲れ様でした!!
童話画廊で会える方々はそっちで会おうな!!!!→:/ https://soraniwa.428.st/fs/?mode=profile&eno=10 /: