Eno.741 金居 乃子

調和

流島高校には色んな人がいる。
種族も性格も性別も、実に様々だ。
この島での遭難の中、そのような違い等関係なしに、皆一緒に助け合った。

「この島が皆の調和をより深めてくれた」というお礼も込めて、
あたしは島を出る前に、調和の塔を建てた。










「あの塔は、きっと、もう……」



「……あっ」









眼の前が大きく歪み、元の生活に帰る直前。
夜空に光る煙が、調和の象徴が、見えた気がした。