プロローグ:事故った
相棒の元レンジャーとジーランティスに行く準備が整った。
ジーランティスは不定期に世界境界に穴を開け、周囲の異世界から生命や物質を吸収し、それらを自分の世界で再構築する性質を持った奇妙な世界だ。
何故そんな性質になったのか。他世界から呑み込まれ再構築された物の中に、僕らにとって未知のものがあるのか。
実に知的好奇心をくすぐられる世界だ。
一度ジーランティスから帰還した相棒もやり残しがあったらしく、冒険の計画はとんとん拍子に進んだ。
そしてジーランティスが「開く」タイミングを見計らい、念視魔法で目的に適う島を見つけ、転移魔法で飛ぶ。
あとはそれだけだった。
そう、そのはずだった。
「ジーランティスが開いた!? 予想よりかなり早いぞ!」
「待って、まだ持って行く荷物の準備が!」
推測より早い世界開きに、僕は慌ててしまった。
急いで荷物を抱え、念視で島を見繕い、転移魔法の詠唱を――
「はっくしゅん!!」
――くしゃみで呪文が失敗し、転移魔法が意図しない効果を発揮してしまった。
こうして僕は単身、ジーランティスに飛ばされてしまった。
島も目的としたところではなく、他にも「ナガサレ」た者たちが複数いた。
まぁ、たった一人でなかったことは幸いだろう。他の漂着者たちと協力して、島からの脱出を――
「ねぇ、あの石像、どう見てもアイツなんだけど?」
ジーランティスは不定期に世界境界に穴を開け、周囲の異世界から生命や物質を吸収し、それらを自分の世界で再構築する性質を持った奇妙な世界だ。
何故そんな性質になったのか。他世界から呑み込まれ再構築された物の中に、僕らにとって未知のものがあるのか。
実に知的好奇心をくすぐられる世界だ。
一度ジーランティスから帰還した相棒もやり残しがあったらしく、冒険の計画はとんとん拍子に進んだ。
そしてジーランティスが「開く」タイミングを見計らい、念視魔法で目的に適う島を見つけ、転移魔法で飛ぶ。
あとはそれだけだった。
そう、そのはずだった。
「ジーランティスが開いた!? 予想よりかなり早いぞ!」
「待って、まだ持って行く荷物の準備が!」
推測より早い世界開きに、僕は慌ててしまった。
急いで荷物を抱え、念視で島を見繕い、転移魔法の詠唱を――
「はっくしゅん!!」
――くしゃみで呪文が失敗し、転移魔法が意図しない効果を発揮してしまった。
こうして僕は単身、ジーランティスに飛ばされてしまった。
島も目的としたところではなく、他にも「ナガサレ」た者たちが複数いた。
まぁ、たった一人でなかったことは幸いだろう。他の漂着者たちと協力して、島からの脱出を――
「ねぇ、あの石像、どう見てもアイツなんだけど?」