Eno.224 少女

そうじゃなくてだ

話は聞いていた。
シンデレラがたまたま流れ着いた島も同じ世界であった。
時期が違うのは確かだが、それでもだ。
ゆえに、縁が『合』うのであればとも。

だから二冊用意した。
私のものと、シンデレラのものを。
その理由は一つ。
シンデレラがいつでも向かうことができるようにだ。

たまには暇をしてもいいだろう。
顔なじみと会うのも。
そう思って、つながるように。

そうしてつなげた先。
少しの細工をして。
うたた寝をしていた。


それが迂闊だった。