Eno.245 Dr.オズワルド(とホロ栄治)

序章

ギルド組合会長から伝言があると、ギルド管理補佐官である"ジルベール"に呼び出されたのは、まだ寒さの残る春先のことであった。

「では、まだ仕事がありますので私はこれで。」
ジルベールは僕に一冊、書類を残して帰って行った。
大まかな内容はこうだ。

「貴方の実力を見込んで、以下の内容を依頼する

絶海の世界ジーランティスの更なる調査と、漂流者の手助け

――詳しい話はエイデルに聞くといい。」

流石にお上の依頼は断れまい。僕は、一度かの世界にたどり着いたというエイデルを尋ねに行った。
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数日後。
僕の元に、栄治がやって来た。わざわざ隣世界から来て頼むこととは、なんだろう?

「あの…オズさん、絶海の世界ジーランティス行くんですよね
それで、もう一つ頼みたいことがあるんです。」

「――――あの世界のサメの有無を、調べてほしいんです」

「そりゃどうしてだ?海なんだから、サメなんて当たり前にいるだろ」
「違うんです。最近この世界群このへんでよく聞くじゃないですか――時空を超えるサメの噂。
流石にいないとは思うんですけど、この辺以外の世界に行ってないことを調べてきてほしいんです。
俺もついて行くんで、どうか頼まれてくれませんか…?」

「ああ、それくらいお安い御用さ。
……僕と一緒に、漂流者まだ見ぬ人々の手助けをしてくれるならな。」

まさか見知った顔だらけになるとは思いもしなかったな、この時は!